『京都の歴史を足元からさぐる[洛北・上京・山科]』(2008)

読書時間

森浩一『京都の歴史を足元からさぐる[洛北・上京・山科]』学生社、2008年

シリーズ2冊目である。1冊目は4部18章だったことから、章立ての方針に変更があったのだろうか。

第1章 賀茂川と高野川の上流へーー鞍馬・貴船・大原の里

第2章 洛北、岩倉盆地の周辺をさぐるーー小野郷と栗栖野郷のほとり

第3章 上賀茂神社から下鴨神社へ

第4章 出雲郷や花の御所ーー御霊神社から相国寺のあたりへ

第5章 山科盆地とその周辺ーー山科陵から醍醐寺周辺へ

森浩一先生の心境があとがきにあった。古歌を1字変えたようだ。

古(いにしえ)も かくやありけん 今日のとおとさ(注1)

「一日をおろそかにする人は人生を失いかねない。プロでもないのに二百回もゴルフをした防衛官僚など、一年にどれぐらい本を読むのだろうか。テレビに映しださせるその顔は読書人の顔ではない。ふとそんなことを考えました」(注2)。

(注1)

これは催馬楽を現代仮名遣いにしたものだ。安名尊(あなとおと)から採ったもの。

(注2)

山田洋行事件(2007年)では守屋武昌防衛事務次官へのゴルフ接待に注目された。数字はもちろん年間ではなく、数年にわたって接待を受けた回数である。

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