『古代史研究七十年の背景』(2016)

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上田正昭『古代史研究七十年の背景』藤原書店、2016年

上田正昭氏が亡くなって読み返そうと思った本が片付けしていても出てこなかった。上田正昭氏は『古代の日本と東アジアの新研究』(2015)が遺作と思っていたら、同じく藤原書店から書き下ろし遺作が出たので、ついで買いしてしまった。文字も大きく、150頁と薄いので(本は宣伝を含めて160頁ある)いかにも遺作に相応しい作りの本だ。

『機 2016年5月号』に山折哲雄氏が上田正昭氏の逝去の前日の様子を「追悼・上田正昭氏ーー上田正昭さんと折口信夫」として書いていた。このあとに「絶筆ーー古代史研究七十年の背景」が編集者により本書の「まえがき」と「年寄りの達者春の雪」で構成されていた。

上田正昭氏による本書の意義付けがある。「研究自伝を書けばよいが、すでに『アジアのなかの日本再発見』(ミネルヴァ書房)におおかたは書いている。そこでここには、老いたわが身の古代史研究七十年の歩みを改めて回想することにする」。

そういう意味で私の履歴書の位置付けであろう。私は上田正昭史論がどのように作られたかに興味があり、この本を手にしたが、タイトルを読み損なっていたようだ。上田正昭史論は十分に読んできたのだ。

というわけで、次は『古代の日本と東アジアの新研究』を読むことにする。

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