谷沢永一氏の『雉も鳴かずば』(五月書房、2005年)を読む。後記に昭和59年とあるので、新潮社版の再発行に当たるのだろう。
タイトルの意図は推して知るべしだが、「沈黙している目利きでウルサ型の読者群にのみ、語りかけようと無力ながらも努めた」という書評は痛快無比である。
後記に煩瑣を厭わず載せたのは、書評した書物がとった賞の一覧であった。しかも選考委員もわざわざ載せている。念の入った仕事といえよう。
私が『すばる<昴>』を読んだのはB5版の時までで、著者が一手に書評を書いた月刊誌の時代は大学を卒業して読書から遠ざかっていた。残念なことだ。
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