『脳の中の過程』(1986)

読書時間

養老孟司『脳の中の過程』哲学書房、1986年

養老孟司氏の『バカの壁』を読み返そうと思ったけど、見つからないので、第2エッセイ集を取り出してみた。「馬鹿の壁」はすでに現れている。「ものが理解できない状態を、私は「馬鹿の壁」と呼ぶ」(「哲学と理解」P268)。後年、『バカの壁』を口述筆記で出版し、大ベストセラーとなったが、読みやすさもあったのだろう。このエッセイは少し読みづらい。雑多な雑誌への投稿をまとめたものだから、まとまり感がない。

第1エッセイ集は筑摩書房から出た『ヒトの見方』(1985年)である。これは読んだことがない。『唯脳論』(青土社、1989年)が画期であると思っているが、第1エッセイ集もいずれ読んでみたい。

著者が気に入れば読み続けるのが私のやり方のようだ。ただ、養老孟司氏のように忘れてしまうこともある。「まいにち 養老先生、ときどき まる」を見て、養老孟司氏が6月に心筋梗塞で手術した話が出た。急に読みたくなって、部屋を探してみて、2冊見つけた。古さを感じさせないエッセイである。

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