『漢文の話』(2006)を読む(その4)

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吉川幸次郎『漢文の話』ちくま学芸文庫、2006年、2021年第8刷

下篇 

第七 近世の叙事の文章としての「古文」碑誌伝状の文章

「墓誌銘」を実は知らなかったことに気がついた。

「それは墓上の石ではない。死者生前の事蹟を綴った文章を、碁盤形の方形の石にきざみ、棺とともに墓中にうずめるのである。重要な部分は散文であるが、さいごに韻文の「銘」が加わるため「墓誌銘」と呼ぶ」(p.239)。

この章は碑誌伝状(ひしでんじょう)を扱う。

「また、より少ない場合として、墓上に立てる「墓碣(ぼかつ)」「墓表(ぼひょう)」、更にまた大官の場合は、墓への参道に建てられる「神道碑(しんとうひ)」などがある。また、それら墓誌銘、墓碣、墓表、神道碑は、友人まてたは門下生によって書かれるが、それらに材料を提供するため、家族もしくは門下生によって書かれた最も詳しい伝記は、「行状(ぎょうじょう)」「行実(こうじつ)」などと呼ばれる。その他ぶっつけに何某の「伝」というものもあり、あわせて「碑誌伝状」の文という。要するに個人の私的な伝記である。しかしそれゆえに、個人の事蹟を記述しつつも、それによってひろく人間の問題を説こうとする態度が、一そう顕著である」(pp.239-240)。

この後に、韓愈が亡くなった娘の韓挐(かんだ)のために書いた「女挐壙銘(じょだこうめい)」が例示される。

この墓誌銘の書き方は好みである。

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