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『古典の愉しみ』(1983)

谷沢永一、渡部昇一、山崎正和、林健太郎、高坂正堯、山本七平『古典の愉しみ』PHP研究所、1983年 『古典の愉しみ』は丸山有彦氏がデカルトの書簡集から谷沢永一が発想法を学んだと書いていたのが記憶に残り、いつか読んでみたいと思っていたが、何し...
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『徒然草抜書』(1990)その2

小松英雄『徒然草抜書 表現解析の方法』講談社学術文庫、1990年 第二章は謎解きを通して短絡的に読むことを戒めいてる。これはやられた感が強かった。 伴信友の堤中納言物語の虫めづる姫君による返歌の解釈のダメ出しを読んでいくと知ってる内容だった...
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「築城典刑の初版と再版」

川田久長「築城典刑の初版と再版」『書物展望 創刊號』書物展望社、1931年 我が国の活字印刷の初期 『書物展望』の最初に川田久長が書いた「築城典刑の初版と再版」を読むと、日本の活字印刷の歴史の中で漢字と片仮名の鉛活字を鋳造して印刷したのは大...
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『書物展望 創刊號』(1931)

『書物展望 創刊號』(1931) 戦前に書物展望社から出た『書物展望 創刊號 七月號』(昭和6年、1931年)を読む。知人に貸していたのが帰って来た。『書物展望』は国書研究同人誌である。編集同人に岩本和三郎、斎藤昌三、佐々木不知軒、庄司淺水...
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『呉越春秋 湖底の城 第8巻』(2017)

宮城谷昌光『呉越春秋 湖底の城 第8巻』講談社、2017年 闔廬のあとを継いだ呉王夫差が喪も明けないうちから越王勾践との戦いに臨む。執政から遠ざけられた伍子胥は遊軍を率いて越王勾践の首を狙うのだった。今回の情報戦が面白い。情報分析官としての...
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『徒然草抜書』(1990)

小松英雄『徒然草抜書 表現解析の方法』講談社学術文庫、1990年 重版して欲しい文庫の一つである。谷沢永一氏の本で知って神保町で買い求めた。そう容易く読める本ではないが、古典文学作品に関して読みかたを変える力がある。 前言 序章 文献学的解...
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『読書の学』(2007)

吉川幸次郎『読書の学』ちくま学芸文庫、2007年 先に、吉川幸次郎・梅原猛編『対話 詩と永遠 愛蔵版』(雄渾社、1975年)を再読して、吉川幸次郎の読書について抜き書きしたことは書いた。読書そのものを吉川幸次郎が書いていたのは、記憶にあった...
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言葉は一回限りの表象

吉川幸次郎・梅原猛編『対話 詩と永遠』雄渾社、1975年 本書は1967年に出版された『詩と永遠』の愛蔵版 50年前の対話である。 吉川幸次郎が本を読む能力についてまず語り出す。読書とは話者の心理に踏み込む技術だという。その技術を抜き書きす...
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『絵巻物に見る日本庶民生活誌』(1981)

戯画、伴大納言絵詞、物見高い庶民が描かれた時代だ。しかし、徳川幕藩体制は武士を権威付け、庶民に土下座を強いた。異常な武士道に気がつくのもこの絵巻物などに描かれた屈託のない庶民の笑いである。
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『城と国家』(1981)(その4)

上山春平『城と国家 戦国時代の探索』小学館、1981年 Ⅲ 城と合戦 戦国好きとしてはこれが一番面白かった。結構前の話だが、新鮮に読めた。 上山春平によると「直接のテーマは、長篠合戦における信長の戦法の分析であるが、私自身の ねらいは、日本...