『日本の地名』(1997)

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谷川健一『日本の地名』岩波新書、1997年第5刷

第1章 地名の旅

第2章 地名と風土

第3章 地名を推理する

第4章 固有地名と外来地名

結語

地名の旅は日和山(ひよりやま)から始まる。「全国各地に80余ヵ所ある。いずれも外海に面した港の近く、それもせいぜい標高百メートル程度の山であるが、そこから見ると、港の内外がよく見渡せて、出船、入船の姿も捉えられる景勝の地が多い」(P2)。日和山に登って天気を見定めて、航路を上り下りするための適当な風を待つのである。小船で漁に出られないくらいの強い風が帆船には必要だった。

「日和山の地名は大型帆船の出現と共に生まれ、帆船時代が終って汽船にとってかわられると、忘れられた地名であるが、日和山は明確に時代の刻印をともなう地名で、地名の編年を考える上で抜きにすることのできない地名である」(P9)。

こうやって、地名を黒潮の流れに関連したことから紐解く話が第1章を貫いている。

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