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もののあはれ

本居宣長、子安宣邦校注『排蘆小船・石上私淑言――宣長「物のあはれ」歌論』岩波文庫、2003年、2010年第3刷 肝心の「物のあはれ」はどうなっているのか。 『排蘆小舟』で本居宣長が「物のあはれ」概念に触れているのは、頭注を含め二箇所だと子安...
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『排蘆小船・石上私淑言――宣長「物のあはれ」歌論』(2003年)

本居宣長、子安宣邦校注『排蘆小船・石上私淑言――宣長「物のあはれ」歌論』岩波文庫、2003年、2010年第3刷 本居宣長の歌論は「物のあはれ」として知られている。今回はその元を見てみたい。そもそも『排蘆小舟(あしわけおぶね)』と『石上私淑言...
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『紫文要領』(2010)

本居宣長、子安宣邦校注『紫文要領』岩波文庫、2010年 段ボールから取り出した。買った理由は不明であるが、たぶん子安宣邦先生の名前が眼に入ったのだろう。 本居宣長の最初の源氏物語論である『紫文要領』は「しぶんようりょう」と訓む。紫文は源氏物...
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『中江藤樹』(1974)

『中江藤樹』(1974) 山井湧、山下龍二、加地伸行、尾藤正英『日本思想大系〈29〉中江藤樹 』岩波書店、1974年 中江藤樹(1608年〜1648年)は江戸初期の慶長13年に滋賀で生まれた。9才で米子藩(加藤泰光)の武士であった祖父の養子...
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『京都の歴史を歩く』(2016)

小林丈広、高木博志、三枝暁子『京都の歴史を歩く』岩波新書、2016年 「京都の道は肥たんごの通り道でもあった。」と書いてあるのを読むと、『京都ぎらい』の井上章一が噛みつきはしないかと心配するが、ここにあるのは歴史認識である。被害者意識ではな...
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金谷武洋の日本語論

『LIBRARY iichiko No.113 WINTER 2012 金谷武洋の日本語論』文化科学高等研究院 特集 金谷武洋の日本語論を読むために『季刊 iichiko』をAmazonで取り寄せてみた。 山本哲士氏のインタビュー「金谷日本...
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『戦国の陣形』(2016)

乃至正彦『戦国の陣形』講談社現代新書、2016年 2016年の本を手に入れる。新刊を読むことが多いとしたら、エンターテイメントに偏っているのだろう。 著者の乃至正彦氏(ないしまさひこ)は陣形につて論じる。「陣」は陳列の「陳」の俗字である。 ...
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『ある法学者の軌跡』(1978)

川島武宜『ある法学者の軌跡』有斐閣、1978年、1984年第10刷 川島武宜(たけよし)が有斐閣の新川正美を聞き手にして話した録音をもとに加筆したもので、平易な文章である。しかも、索引もあり、読み返しやすい。 この本は丸山有彦氏のブログ「m...
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『築地』(2007)

テオドル・ベスター、和波雅子・福岡伸一訳『築地』木楽舎、2007年 本棚の奥にあった。2016年11月に場内が豊洲へ移転する。今年は築地魚市場の歴史が大きく変わる年だ。 まさか、買ってあったとは、といつも自分に呆れている。9年も放っておいた...
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『京都ぎらい』(2015)

井上章一『京都ぎらい』朝日新書、2015年第6刷 井上章一氏は嵯峨で育ったという。京都のひとではないと言われたらしい。京都のひとにとって京都は市街をイメージする。 十三参りで法観寺の虚空蔵菩薩さんに知恵を授けられた京都のひとは渡月橋を渡り終...