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江戸初期の知のネットワーク

横田冬彦『日本の歴史16 天下泰平』講談社学術文庫、2009年、2014年第3刷 第七章 開けゆく書物の世界 江戸初期の知のネットワークの具体例を見ていこう。父親が福島正則の元を離れ大坂方につき敗死したため、母方の姓を名乗る三田浄久が各種の...
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『日本詩人選7 紀貫之』(1971)

大岡信『日本詩人選7 紀貫之』筑摩書房、1971年、1973年第5刷 大岡信が亡くなった時、最初に探した本だが、見つからなくて『岡倉天心』を読んだ。たまたま事務所で袋に入っていた本を取ると、その下にあった。勘違いとはよくあることで、全て梅原...
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『日本後紀 上 現代語訳』(2006)

森田悌『日本後紀 上 現代語訳』講談社学術文庫、2006年、2010年第5刷 書誌情報 『日本後紀』の現代語訳で、原文も併記している。索引はない。 「『日本後紀』は40巻からなる編年体の歴史書で、現存するのはそのうち10巻分である。残存巻に...
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『ミシェル 城館の人 第一部 争乱の時代』(2004)

堀田善衞『ミシェル 城館の人 第一部 争乱の時代』集英社文庫、2004年、2007年第2刷 『エセー』を書いたミシェル・ド・モンテーニュについての堀田善衞の伝記小説は3巻本であった。菅野昭正氏の解説が各巻にある。谷沢永一は歳をとったらモラリ...
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『辺境図書館』(2017)とは何か

皆川博子『辺境図書館』講談社、2017年 0. 書誌情報 『辺境図書館』は講談社「IN☆POCKET」2014年10月号〜2016年10月号に連載したもの25篇に、書き下ろし「水族図書館」を加え、索引を付けたものです。連載は2017年4月号...
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『青銅の神の足跡』(1979)

谷川健一『青銅の神の足跡』集英社、1979年第2刷 神社の起源を巡る旅を続けているなかで、時々思い出したように手にとる本である。神社の起源の一つを古墳時代の土地の有力者を祀った墓所とする以外に、銅鐸が埋められた聖地として弥生時代に遡れるもの...
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『日本中世に何が起きたか』(2017)

網野善彦『日本中世に何が起きたか 都市宗教と「資本主義」』角川ソフィア文庫、2017年、解説 呉座勇一 もちろん解説を読むためだけに買った文庫本である。 内容は4章からなるが、講演等を集めたものである。 序にかえてを読んでいくと、絵巻物の作...
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若松英輔氏の「霊性論」を読む

若松英輔「霊性論 第4章 岡倉天心と東洋的霊性」『思想 2017.4 No.1116』岩波書店 若松英輔氏が「日本的霊性」を論じていたのは、内村鑑三、新渡戸稲造、鈴木大拙を対象にしたものだった(注1)。若松英輔氏の岩波書店の『思想』に連載し...
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『頼山陽とその時代 上』その4

中村真一郎『頼山陽とその時代 上』ちくま学芸文庫、2017年 第1部第5章 女弟子たち 「京都生活における精神の自由のあらわれのひとつとして、放蕩の他に「女弟子」というものがある」(上P106)。 中村真一郎の思わせぶりの記述である。 さて...
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『頼山陽とその時代 上』その3

中村真一郎『頼山陽とその時代 上』ちくま学芸文庫、2017年 第1部第4章 遊蕩と禁欲 京都に出ても頼山陽の放蕩は止まなかった。中村真一郎は性欲と神経症の関係性に触れたが、神経症はよくなった。妾を置くことで東方(祇園)へ通う気がおこらなくな...