断片記憶

断片記憶

『ソーシャル物理学』を読む(その2)

アレックス・ペントランド、小林啓倫訳、矢野和男解説『ソーシャル物理学「良いアイデアはいかに広がるか」の新しい科学』草思社、2015年著者の主張を見ていくことにしたい。著者の主張「優れたアイデアとは、社会的な探求行為を、慎重かつ継続的に行うこ...
断片記憶

『ソーシャル物理学「良いアイデアはいかに広がるか」の新しい科学』(2015)

アレックス・ペントランド、小林啓倫訳、矢野和男解説『ソーシャル物理学「良いアイデアはいかに広がるか」の新しい科学』草思社、2015年「ソーシャル物理学」とは何か。定義は後にして、どういう問題意識で本を選んでいるかから始めたい。経済学で扱う「...
断片記憶

『日本史学』(2015)

帆立道久『日本史学(ブックガイドシリーズ基本の30冊)』人文書院、2015年本の鮮度とは何か。時々のものを扱うのでなければ、読み手が見出すものであろう。本が未来に向かって開かれている限り、何度読んでも、鮮度が落ちない。書かれた時は遥か昔であ...
断片記憶

『いいねぇ〜 江戸売り声』(2012)

宮田章司、瀬知エリカ(画)『いいねぇ〜 江戸売り声』(素朴社、2012年)江戸売り声を仕立直やの二階で楽しむ会に行ってきた。瀬知さんの三味線と唄が階段の上から聴こえてきた。ちょっと遅れたか。上がると瀬知さんが画をPCに取り込んでビデオにした...
断片記憶

器の使い途

紅葉にはまだ早い南禅寺前のうつわやあ花音で新宮州三さんの漆角皿を買いました。店主と使い途を議論しましたが、何でもよさようです(少し投げやりモード)。ちらし寿司の取り皿、菓子皿、パン皿、飴入れ、柿の種入れ、升の代わり、鍵置使い途を議論してから...
断片記憶

『行きつけの店』(1999)

「行きつけ」とは山口瞳が食事や旅行の際にみせるスタイルである。何かの縁で入った店が気にいると何度も通うことになり、「なじむ」ことを好む態度である。食事や旅行の都度、違う店や旅館を選ぶことを志向するのとはおよそかけ離れた態度である。人には馴染...
断片記憶

『坂口安吾』(1972)

奧野健男の『坂口安吾』(文藝春秋、1972年)はこう始まる。「坂口安吾の「堕落論」を読んだとき受けたような鮮烈な衝撃を、ぼくは生涯において二度と読書から受けることはないであろう。それは十九歳のぼくを今まで縛っていた戦争期の倫理や観念やタブー...
断片記憶

スサノヲの時代

「鎌田東二の霊性の京都学 74 スサノヲの到来展の場所の力」(月刊京都2015年11月号)「スサノヲの到来展」の最後は渋谷の松濤美術館においてであった。鎌田東二氏が「スサノヲと場所の力〜渋谷の地と氷川神社とスサノヲのコスモロジー」と題した講...
断片記憶

書物を解体するということ

かつて『書物の解体学』(中央公論社、1981年)を吉本隆明が書いたとき、出来の悪い本は振ってみれば良いとした。バラバラとページが落ちてくる(笑)。しかし、書物を読むということ、著者の言説を理解することが知の格闘技だということをビジュアルに理...
断片記憶

西米良村・村所神楽

神楽を観た。宮崎県西米良村・村所神楽を観たのである。村外の吾妻橋にあるアサヒアートスクエアでである。本番の半分の時間とはいえ十分堪能した。休憩なしに6時間の公演だった。2015年10月4日(日)神神楽の部(13:00 〜 16:30)1 清...