シガモノ

シガモノ

「シガモノ」

忍者といものはその正体がよく分からないが、今でも人気がある。私の世代は「伊賀者」や「甲賀者」といった遣い方を知っている。しかし、甲賀が滋賀県で伊賀が三重県に分かれていることまで知っている人は少ない。 東京日本橋にある滋賀県の物産館である「こ...
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紀貫之の墓をやり過ごす

目崎徳衛『人物叢書 紀貫之』吉川弘文館、1961年、1985年新装版 紀貫之の最初の伝記であるという。歴史家であるため歌人とは違った観点の本となる。当時は子規の毒が回っていたので、古今集そして紀貫之の評判は頗る悪かった。目崎徳衛は紀貫之をど...
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『行 比叡山千日回峰』(1979)

『NHK特集 行 比叡山 千日回峰』 酒井雄哉(哉は右上から下へのはらいがなし)師の最初の千日回峰行である。 1979年1月5日の放送であった。放送は1978年10月30日の堂入5日目の水汲みの場面から始まる。酒井雄哉(哉は右上から下へのは...
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ビワイチ

輪の国びわ湖推進協議会編『ビワイチ公式ガイド ちずたび びわ湖一周自転車BOOK』西日本出版社、2016年 琵琶湖は電車で一周したことはあるけど、歩きや自転車はない。そんな夢見たいなびわ湖一周の自転車の本だ。ビワイチ公式ガイドとは嬉しい企画...
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櫟野寺の大観音

櫟野寺(らくやじ)を知ったのは白洲正子の『かくれ里』(1971)だった。私が訪れたのは、正月気分の残る2011年1月8日だった。無人駅の油日で降りて、地図を片手に歩き始める。単線の線路を渡って、赤い鳥居を潜り、雪の残る道を歩く。油日岳がだん...
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近江懐古譚

近江八幡は羽柴秀次の城下町としてよりは、近江商人の町として栄えた。八幡山(標高283m)へは日牟禮八幡の裏からロープウェイで上がれる。羽柴秀次の八幡山城は安土城に替わる近江国支配のために羽柴秀吉と羽柴秀次によって築かれ、安土城下町も移築した...
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餅を供えるの続き『オコナイ』(2008)

中島誠一監修、上田洋平、原田信男『オコナイ 湖国・祭りのかたち』INAXo、2008年 餅を供える話で『オコナイ』を出したので少し補足しておきたい。『オコナイ』を読んでいくと、御鏡と呼ばれる鏡餅をつき、奉納する話が出てくる。川道神社の巨大な...
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道心有る人は国の宝

2014年11月の染筆カレンダーは叡山学院院長 堀澤祖門 師でした。 「道心有る人は国の宝」 大意 自分を犠牲にしてでも他を救おうとする求めて已まぬ求道心こそ現代の真の宝。道心あるひとに衣食あり。菩薩の大慈悲に浴す修行者が、独りでも多くなっ...
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一片月生海

2014年10月の染筆カレンダーは、滋賀院門跡 門主 井深観譲 師であった。 「一片月生海」 (いっぺんのつきうみにしょうず) (大意) ただ一つの月ではあるが、海の上に上がると、この月の美しさに大勢の人が只、見とれてしまう。花や月の美しさ...
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不惜身命

2014年9月の染筆カレンダーは、去年お亡くなりになられた大行満 大阿闍梨 長寿院住職 酒井雄哉(哉は右上から下へのはらいがなし)師の「不惜身命」だった。これは額装してとっておきたい。 酒井師の居られた飯室不動堂は比叡山の東側の飯室谷にある...