『別冊宝島14 道具としての英語・会話編』(1979)

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『別冊宝島14道具としての英語・会話編』JICC(ジック)・出版局、1979年
GDM(Graded Direct Method)とBasic Englishがテーマとなっていた。
「GDM(Graded Direct Method)はI.A.RichardsがChristine Gibson女史の協力を得て開発した、初歩学習者に対する外国語としての英語の教授法で、「意味論」、Badic English という大きな柱を背景にもっている。Basic English は、C.K.OgdenがI.A.Richardsと“The meaning of meaning”を書いた時の副産物として発見され、それだけでevery day English に事かかない、少数精鋭の英語だ。Richardsはこれを語学教育に利用できるのではないかと考えた。ハーバード大学で教えるかたわら、Gibson女史の献身的協力で、Basic English を利用して、外国語としての英語を教える効果的な方法研究に専心、その結果生まれたのがGDMなのだ」(45頁)。
Basic English はC・K・オグデンが1930年『サイキ』という雑誌で初めて発表した(50頁)。
統計により使われる頻度で選んだ単語とオグデンの単語は異なる。統計で選ぶ4000語ならば基本的な表現をするための単語が入ってくるが、850語では雑多になってしまう。
選考のための4つのプリンシプル
1 少数の語で言い換えることのできる語は省く。
2 語自体が人に感情を揺すぶる語(Emotive)は省く。
3 文体的な語は省く。
4 特殊な分野だけで使う専門語を省く。
これをさらにふるいにかける。
ある構造の中で使われた語が他の構造の中でも使われる語を選び取る。Basicではableはあるけどcanはない。統計から見れば、ableよりcanのほうが多く使われる。しかし、語のもつ力や有効度からみれば、canは省いてしまえる(49頁〜50頁)。
語の意味や使用範囲がはっきりしている語を選んでいる。
It’s fine、といったり、niceといったりするが、はっきりと意味を定義できない。beautiful という語だと、これははっきりしている。「われわれの感覚ないし感情にpleasureを与える」のがbeautiful だとはっきり定義できる。これはオグデンははっきりは言ってないけど、ぼくはBasic の合理性を表す特徴だと思っている(室勝、50頁)。
隠喩に使われる語は、外国人でもわかるような語に限定される(50頁)boxはboxedで「とりかこまれた」という意味に使える。
“English Through Pictures”をやっていた記憶があるけど、黄色表紙の本は見つからない。その後2000語水準とか3000語水準でrewriteされたものを読んだ記憶があるけど、普通にペーパーバックを読んだだけでは足りないことは実証できた気がする。

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