ひととき 2021年6月号の千宗室さんの京都(みやこ)の路地(こみち)まわり道は「お年寄り」というタイトルだった。家元の仕事の一つに箱書きがある。茶道具の「極め」をすることだ。その家元が6月で国家鑑定済の年寄りになるという。六十五歳になるということだ。
国から「お年寄り」というお墨付きを与えられたわけだが、家元は「道具と人間とは違う。人間に真贋はない。人それぞれ歩んできた道は違うが、誰も偽物ではない。人生は本物だ。喜びがあっても悔いがあってもそれは付随したものだ」という。
しかし、家元は何故か、ウェイトトレーニングや腕立て伏せをして、身体の萎むことに対抗しようとして身体を痛めてしまう。
骨董には真贋が付き纏う。それは由緒に基づく価値の鑑定である。骨董に関する本を幾らか読んでみて、自分の好みはそういうところにないことがわかった。
コメント