複製芸術家小村雪岱

複製芸術家小村雪岱　装幀と挿絵に見る二つの精華

千代田区立日比谷図書文化館特別展　2021年1月22（金）-3月23日（火）

「大正3年9月、小村雪岱は文豪・泉鏡花による書き下し小説単行本『日本橋』で、装幀家としてデビューします。鏡花の小説世界を愛した若き無名の日本画家は、その画号「雪岱」も鏡花によって授けられました。以後、装幀家としてばかりでなく、挿絵画家としても後に「雪岱調」と言われる独自の画風で邦枝完二の新聞連載小説「おせん」などを手がけ、雑誌や新聞などの印刷複製物で活躍しましす。さらには舞台装置家としての面も見せ、装幀、挿絵、舞台装置と三つの分野で才能をいかんなく発揮しました」（「展示作品目録」ごあいさつ　館長　大畠康平）。

展示室内は写真撮影が許可されていたので、ガラス越しに本を撮した。『小村雪岱画集』（高見澤木版社、昭和17（1942）年は、三井記念美術館で見た「『小村雪岱画集』表紙絵「柳に梅花図帯」より」の木版多色刷とは梅花の意匠が異なっていたし、金が使われたなかった。

複製芸術家としての新聞連載の挿絵は、新聞の切り抜きで展示されていた。300円はお得だった。展示作品目録も良い。