井筒俊彦『意味の深みへ 東洋哲学の水位』岩波文庫、2019年第2刷
コロナのせいで2月に買ってからすっかり忘れてしまっていた。問題意識も忘れたので、取り敢えず、課題である第7論文「意味分節理論と空海ーー真言密教の言語哲学的可能性を探るーー」を読んだ。
井筒俊彦は意味分節理論で空海の『弁顕密二教論』から「果分可説」を取り上げる。「悟りの境地を言語化することを可能にする異次元のコトバの働き」(P273)あたりから論証についていけなくなる。そこに井筒俊彦は唯識から深層意識を持ってきて説明する。この「言語アラヤ識」は分かりそうで分からない。私の唯識の知識も形式的なものだと残念になる。言語哲学の観点からの読み直しが必要なのだ。
「言語アラヤ識」あるいは「意味アラヤ識」のところは、第2論文「文化と言語アラヤ識ーー異文化間対話の可能性をめぐってーー」を読んでみることにしよう。
『意識と本質』(1991)もひっばりだして読み直さないと先へ進めない気がする。
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