『芭蕉 百五十句』(1989)

読書時間

安東次男『芭蕉 百五十句 俳言の読み方』文春文庫、1989年

安東次男(あんどう つぐお)は何で評釈の手直しを3度、4度と刊行本でしたのだろうか。伊藤仁斎は手直しを入れ続けたが、生前刊行はしていない。安東次男はそれだけ松尾芭蕉の徘徊に腰を据えて取り組んだのであるが、注文をもらって書くという職業上の性格もあったのだろう。安東次男の本はこのブログでは、『完本 風狂始末 芭蕉連句評釈』(ちくま学芸文庫、2005年)と『百人一首』(新潮文庫、1976年)が検索で引っかかる。他に何冊か研究所に眠っているので、何かの折に読みたいのであるが、パラパラとは読ませない文体であるため、こちらも用意がいる。

例によって『芭蕉 百五十句 徘言の読み方』の書誌情報を書いておく。

『芭蕉発句新注 徘言の読み方』(筑摩書房、1986年)を基に、14句を追補したもの。

『芭蕉 百五十句』は芭蕉の発句を評釈する。昼日中読むのではなく、盃を手に数句をおさらいして、またにするという稽古事として読む。

注)解釈ということー解説にかえてーで、「振売の雁あはれ也ゑびす講」という発句を四度にわたって評釈したものを掲載している。念の入ったことだ。

#安東次男

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