吉例顔見世興行 2017

旅の時間

吉例顔見世興行という京の年中行事の時季となった。

師走の京都は久し振りに寒い京都の顔を感じさせてくれた。鍋を囲んで温まって、いざ祇園へ向かった。女将さんがいなかったが、中居さんが「とちり」の席といってチケットを渡してくれた。南座と違いロームシアターに「とちり」はあるのだろうかと思った。シャンパンバーに入れず、ホテルのバーも人が多かったので諦めてしまったのは少し心残りだった。先生からのお呼び出しもなく本を読んでそのまま寝てしまった。

朝起きると昨日と違いコートがいらないくらい暖かかった。ホテルから車で岡崎へ向かうと二条通りが車で混雑していた。疎水の前の細見美術館で降りる。三方から車が合わさりロームシアターの前は大混雑だ。耐震工事中の南座に変わりまねきが上がっていた。しかし、横一列のため横に長くなって全体が見渡せない。こんなまねきは初めてみた。去年は先斗町歌舞練場だったが、行く気にならなかった。そもそも無理があると思った。

ロームシアターは杮落としで来ていらいだった。席は中央の7列でなるほど「とちり」席だった。南座と違い舞台が低いので、前でも気にならないと思う。しかし、花道が特設で作らなければいけないのはロームシアターの残念なところだ。昼の興行は「寿曽我対面」の熱演の後八代目中村芝翫さんの三人の息子さん逹が、それぞれ四代目中村橋之助、三代目中村福之助、四代目中村歌之助を襲名したことの披露口上があった。終わってから入口までお弁当を取りに行く。30分の休憩時間である。弁当はかじ正さんにお願いしてもらった。かじ正さんの卵焼きを久し振り味わうことができた。これには相方も満足していた。次は「義経千本桜から渡海屋と大物浦の場」で中村芝翫さんが渡海屋の亭主実は平知盛を演じていた。なんか大きく感じた。「二人椀久」では片岡仁左衛門さんが暗い月明かりの中での登場から、月が落ちて見えなくなり、終わった。しっとりした踊だった。幕が降りて、また来年という声が聞こえてきた。

P.S.祝幕のデザインは佐藤可士和さんだった。

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