鈴木正三著、鈴木大拙校訂『驢鞍橋』岩波文庫、1948年、1977年第2刷
『驢鞍橋(ろあんきょう)』は山本七平の『勤勉の哲学』で知った曹洞宗の禅僧鈴木正三(1579-1655)の言行録だ。
凡例によると、萬治三年(1660)に刊行され、寛文九年(1669)に再刊されたとある。鈴木大拙の書き振りでは両刊本の相違は各巻の番号の記入の仕方に過ぎないという。校訂の方針は片仮名を平仮名に改め、漢字仮名遣は明らかに誤字と判断するものを除いてそのままだという。俗語、方言があるのは鈴木正三(すずきしょうさん)が三河武士だったことによる。解説には三州西加茂郡足助の人とある。
三巻本の言行録の下巻第67章に後世物語を聞かせてくれという長老衆を諭した話のエピソードがある。『因果物語』(寛文元年、1661年)のことと考えられるが、鈴木正三の集めた怪異な話は気になるのでいつか図書館で調べてみたい。というのも課題図書である『朱子語類』は朱子の鬼神論である。日本において禅僧が祖霊をどう扱うのかは知りたいところである。葬式仏教の問題でもある。
上巻172章
中巻89章
下巻152章
通勤時間の楽しみのために、御所南の革工房Rimがあじき路地にあったの時に買ったお気に入りのブックカバーをつけてみた。
注)もう古書でしか手に入らなくなっている中公クラシックス版
加藤みち子編訳『鈴木正三著作集1』中公クラシックス、2015年
加藤みち子編訳『鈴木正三著作集Ⅱ』中公クラシックス、2015年
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