DVD『白洲正子の世界』(2009)を見ていて「葛城のあたり」が出てきた。白洲正子は横大道(よこおおじ)より九品寺を訪ねた。ここから奈良盆地の眺望がよい。「望」という漢字は遠くを見ることだが、台に上り王が望見すれば、それはその土地を欲することになる。宮城谷昌光氏の『楽毅』で趙王に中山国を望見させたことを思い出す。白洲正子は九品寺からの眺望を「居ながらにして大和平野の大部分が、視界におさまる大パノラマだ。葛城が神山とされたのも、葛城一族が大和に君臨したのも、このような眺望にふれると合点が行く」と書いており、広瀬修子氏が朗読するのを聴きながらDVDを見ていると同意せざるを得ない気持ちになる。私はまだ、葛城山に行ったことがないが、DVDと同じように吉野山から眺めたことがある。
「葛城から吉野へ」でこのDVDシリーズも終わる。
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