77「御室桜」千宗室

ひととき

ひととき 2016年03月号の千宗室さんの京都(みやこ)の路地(こみち)まわり道は「御室桜」というタイトルだった。御室桜は4月の半ばに他の桜が終わったあとに仁和寺で観られる背の低い遅咲きの八重桜である。ということで、混み合うけれど、ソメイヨシノは終わっているので、花見はここでしたのだった。

松竹ロビンスという球団のホームグランドの跡地が立命館大学のキャンパスになったとか、木辻通も「きぬかけの路」と呼ばれることに違和感を感じているようだ。確実に意識は仁和寺へ向かっているのが分かる。

さて、このコーナーでもまだ早いとちゃうかと訝って読んできて、御室桜の話となる。ある年の献茶式で、時雨たときに雨の音が肩のあたりでしたという。「ダビンチの人体図のように丸く手を広げている。その枝先が受けた雨粒を」家元の肩口に放り投げてきたことを思い出して書いている。桜の候でもないのに花の気配がする。裸の御室桜は以外と男性的と花芽を見ていたのだ。

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