谷口けいさんを悼む

断片記憶

谷口けいさん(43歳)が亡くなった。大雪山系黒岳で雪に埋もれて心肺停止状態で発見されたという。12月21日に登頂しでザイルを解いた後に400m滑落したらしい。死因は脳挫傷である。

登山家として残念でならない。

山渓のビデオの感想を読み返しながら偲ぶことにする。ご冥福をお祈りする。

1.『アドバンス山岳ガイド 槍ヶ岳・北鎌尾根』

北鎌尾根へのアプローチは水俣川の吊橋が渡れなくなってから、貧乏沢からのアプローチが一般的になった。

私が湯俣から入ったときは、吊橋のワイヤーが残っていて何とか右岸に渡れたことを思い出す。

『槍ヶ岳・北鎌尾根』は谷口けいさんと大久保由美子さんがコースの紹介する。大天井ヒュッテの先の貧乏沢の下りがいきなり核心部で天井川に降りる。北鎌沢右俣から北鎌のコルまでは辛い登り。独標までの間も天狗ノ腰掛など切れ落ちていて怖いなあ。独標基部まで7時間か。

独標はトラバースルートをとっている。核心部だよね。ハーネスを装着した。トラバースの後半に、壁面が千丈沢を回り込むところで、ザイルを出す。岩がオーバーハングぎみてザックに当たると危険なところだ。トラバースからクラックの登りと高度感がある。独標のピークへスラブ状の岩を登る。北鎌尾根の稜線が綺麗だ。「天辺じゃないけど天辺みたい」。

独標から大槍は、遅くなるとガスが出てきてルートファインディングが難しくなる。北鎌平直下で2時間半。北鎌平で都合10時間。槍ヶ岳のピークまであと1時間。頂上直下のチムニーを登って祠の後ろから頂上に出た。天気は最高!

付録に地図と萩原浩司さんの解説が付いている。

もう山に行けなくなって久しい。映像は慰めである。

2.『アドバンス山岳ガイド 剱岳八ツ峰』

登山家谷口けいさんは2008年のインドヒマラヤのカメット東南壁初登攀(7756m)の実績を認められ世界の優れた登山家に贈られるピオレ・ドール賞を女性として初めて2009年に受賞した。

山を初めて1年目の初心者を連れて剣岳八ツ峰縦走する番組だ。編集カットがちょっと残念だ。北鎌尾根のほうがよかった。

3.『アドバンス山岳ガイド 前穂北尾根』

穂高岳山荘の今田恵さんを連れての前穂北尾根と北穂東稜だ。

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