批評のポイントを識るために読む本を一冊をあげるとしたら、谷沢永一の書評に限る。
谷沢永一『紙つぶて 自作自注最終版』文藝春秋社、2005年
本書は昭和44年から58年にかけて新聞等の書評欄に発表した書評に、昭和60年から平成16年にかけて600字の自注をつけたもの、見開きで読む455篇は圧倒的な気がする。
書評を読んで本を買わないで済むのも、谷沢永一のいうように業界内の遠慮がちな書評では触手が動かないからである。
谷沢永一のお陰で、処分に困る本を買ってしまったのは言うまでもない。
平成時代のまっとうな書評はないものか。見落とした本は多いはずだ。
#エッセイ #谷沢永一
コメント