断片記憶

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『平安王朝の葬送 死・入棺・埋骨』(2016)

朧谷寿『平安王朝の葬送 死・入棺・埋骨』思文閣出版、2016年 朧谷寿氏による平安王朝の天皇及び貴族の葬送の態様の分析をまとめたもの。既出論文に書下ろしを加えて平安王朝の天皇の葬送を網羅した。貴族の葬送との対比で皇権のあり方を見ていくことに...
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『紙つぶて 自作自註最終版』(2005)

谷沢永一『紙つぶて 自作自註最終版』文藝春秋、2005年 外部倉庫にあるとばかり思い込んでいたが、本棚にあった。 紙つぶてという書評コラム455篇が600字の発句集とすれば、自註500字は付かず離れずの微妙な位置で脇句として展開する。発句と...
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パブリッシャーかブックメーカーか

週間読者人 2015年11月6日号 「本作りの理想郷 鈴木一誌・増田玲対談」を読む。DVDブック『世界一美しい本を作る男 シュタイデルとの旅』(新潮社、2015年』のドキュメンタリー映像を観ての感想が中心だ。写真集を編集から印刷まで一貫して...
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『京都人も知らない京都のいい話』(2016)

浜村淳『京都人も知らない京都のいい話』PHP研究所、2016年 MBSの「ありがとう浜村淳です土曜日です』を理髪店でよく聴いたものだ。映画の話が何とも楽しい。 浜村淳氏は鷹峯育ちのようである「第8章 わが故郷・鷹峯を歩く」。北区で京都人とい...
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『ビジネススクールでは学べない 世界最先端の経営学』(2015)

入山 章栄『ビジネススクールでは学べない 世界最先端の経営学』日経BP社、2015年 著者の本とは2冊目になります。 1.経営学は何を提供できるか (1)理論研究から導かれた「真理に近いかもしれない経営法則」 (2)実証分析などを通じて、そ...
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片貝孝夫氏を悼む

片貝孝夫氏を悼む 片貝孝夫氏が2016年2月16日に永眠された。私は後年の付き合いでしかなかったが、氏は親身に心配してくれた。 氏の故郷の東吾妻町の町おこしは始まったばかりである。氏が取り組んだときにはもう時間が残されていなかったのだ。片貝...
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『国文法ちかみち』(2016)

小西甚一『国文法ちかみち』ちくま学芸文庫、2016年 なにやっているの?と言われかねない。また、受験文法の本を買ってしまったのである。ある懐かしさと悔しさが同居するが、すでに不確かさを増した記憶の底に小西甚一の名前がある。この人の本が出回る...
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『模倣の経営学』(2015)

井上達彦『模倣の経営学』日経ビジネス人文庫、2015年 ビジネスシステムイニシアティブの月例会で井上達彦教授がファシリテーションしたのに参加して、本を買うことにした。本来は事前に買うのであるが、今月は体調がイマイチなので、書店には3回しか行...
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『貞慶『愚迷発心集』を読む』(2004)

多川俊映『貞慶『愚迷発心集』を読む』春秋社、2004年、2012年第2刷 解脱上人貞慶(1155〜1213)の『愚迷発心集(ぐめいほっしんしゅう)』を手にしたのは、『はじめての唯識』(2001)が分かりやすかったせいもあった。 本書は第1部...
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読書が読書を変える

乃至正彦『戦国の陣形』講談社現代新書、2016年 本書を読んで思ったことは、「防人とは何か」と問うたときに、自分の知識の欠落を補いたいということだった。万葉集を読むとき防人の歌は何となく避けてきていた。歴史の教科書もろくに読まなかった私の防...