典座教訓が読めない

断片記憶

割烹の若旦那が見せてくれた『専門料理2016年7月号』は「日本料理の50年」が特集されていた。表紙に道元の『典座教訓』が引かれているが、この訓み下し文が若い料理人にはもう読めなくなっているという。

なお、典座教訓(てんぞきょうくん) は曹洞宗の道元禅師が修行僧の食事を作る典座の心得を著したもの。

振りがなと簡単な注釈をメモしておくことにした。

謂(いは)ゆる、縦(たと)い莆菜羹(ふさいこう)を作るの時も、嫌厭軽忽(けんえんきょうこつ)の心を生ずべからず。縦い頭乳羹(ずにゅうこう)を作るの時も、喜躍歓悦(きやくかんえつ)の心生ずべからず。

既に耽著(たんじゃく)なければ、何ぞ悪意(おい)あらん。

然(しかあ)れば則ち、麤(そ)に向うと雖も全く怠慢なく、細(さい)に逢うと雖も弥(いよ)いよ精進あれ。

切に物を逐(お)うて心を変ずること莫かれ。

人に順(したが)いて詞(ことば)を改むるは、是(こ)れ道人に非ざるなり。

注)

莆菜羹(ふさいこう)菜っ葉汁

嫌厭軽忽(けんえんきょうこつ)嫌悪と軽蔑

頭乳羹(ずにゅうこう)牛乳入りの上等な汁物

耽著(たんじゃく)執着のこと

麤(そ)粗と同じ

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