ひととき

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88「薄氷」千宗室

ひととき 2017年2月号の千宗室さんの京都(みやこ)の路地(こみち)まわり道は「薄氷」というタイトルだった。手水鉢に張った薄氷の話を出し、「この町に生まれて六十回、私は未だに冬と折り合いをつけられないままでいる」と家元が吐露している。 後...
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87「物の怪」千宗室

ひととき 2017年1月号の千宗室さんの京都(みやこ)の路地(こみち)まわり道は「物の怪」というタイトルだった。家元は愛宕山の向こうに天狗のお宿があると聞かされていた。しかし、名前をしっているのは鞍馬山と比叡山と大文字山だった。だから西山は...
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86「もしイチョウが海に舞ったなら」千宗室

ひととき2016年12月号の千宗室さんの京都(みやこ)の路地(こみち)まわり道は「もしイチョウが海に舞ったなら」というタイトルだった。堀川今出川から紫明への中央分離帯のイチョウが見事だという話になり、シベリウスの『フィンランディア』が思い出...
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85 「天井裏の怪」千宗室

ひととき 2016年11月号の千宗室さんの京都(みやこ)の路地(こみち)まわり道は「天井裏の怪」というタイトルだった。家元がまた20年ほど前の話をする。子供部屋の天井から妙な音がするので、確かめたら、子猫が3匹だった。それを賀茂川の上流の猫...
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84 「ルーおじさんのカウンター」千宗室

ひととき 2016年10月号の千宗室さんの京都(みやこ)の路地(こみち)まわり道は「ルーおじさんのカウンター」というタイトルだった。家元が20年振りに訪ねた店である。Jazzの高音が蒸した夜に抜けていく。油を引いた床板が軋む音がした。カヌレ...
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83 「納涼トマト」千宗室

ひととき 2016年09月号の千宗室さんの京都(みやこ)の路地(こみち)まわり道は「納涼トマト」というタイトルだった。家元が焼酎にトマトを擦り下ろしを混ぜたものを飲むくらい美味しいトマトの話から始まり、テッパン串焼きのモリタさんの店を楽しん...
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82 「祭の夜」千宗室

ひととき 2016年08月号の千宗室さんの京都(みやこ)の路地(こみち)まわり道は「祭の夜」というタイトルだった。家元が自転車で神社の夜祭へいった時の話だった。鳥居を夜店の明かりが照らしていた夕方だった。綿菓子やベツコウ飴、おもちゃ屋、射的...
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81 「睨む空蝉」千宗室

ひととき 2016年07月号の千宗室さんの京都(みやこ)の路地(こみち)まわり道は「睨む空蝉」というタイトルだった。家元がジョギングをするジュースを買い換えて、おろしたところ、雨に降られる話だ。雨宿りした百日紅の木に蝉の脱け殻があり、早過ぎ...
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80「貸本屋の午後」千宗室

ひととき 2016年06月号の千宗室さんの京都(みやこ)の路地(こみち)まわり道は「貸本屋の午後」というタイトルだった。家元が小学生というと50年程前の話になる。信号のない堀川通り渡るのが冒険だった頃だ。堀川鞍馬口を入ったあたりにあった貸本...
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79「酒が旨いとき」千宗室

ひととき 2016年05月号の千宗室さんの京都(みやこ)の路地(こみち)まわり道は「酒が旨いとき」というタイトルだった。平野恵理子さんのイラストは蚕豆だ。 家元が「ごく稀に本当に酒を楽しめる日がある」という。「昔はともかく、今は一人酒をしな...