奥井潔『〈新装版〉英文読解のナビゲーター』研究社、1997年、2021年新装版
暑くて目が覚めてしまったので、枕元の本をパラパラしてみた。片付け中なので本だらけのため、地震が来れば本のために死ぬかもしれない。直下型であれば、段ボールは飛ぶし、ハードカバーは冗談で鈍器と言っているくらいの機能を発揮できそうである。
西きょうじ『英文読解入門基本はここだ!―代々木ゼミ方式 改訂版』(代々木ライブラリー、2022年第53刷)には著者がちよこちょと受験生を励ます言葉を挟んでいる。英文読解の入門者にとって一貫した説明をするために、文法事項を全て網羅する必要はないという立場であるが、一言コメントのようなものも多い印象があった。著者の『ポレポレ英文読解プロセス50』(代々木ライブラリー、1993年)とセットで英文読解は完成する仕組みなのであろうから、これはいずれ読んでみたい。
奥井潔も受験生を励ますというか、英文読解を通じて見えてくる世界について語っていた。取り上げた英文を学参という言葉で一括りすることはできない。
奥井潔は取り上げた英文の出典を明らかにしていないが、入試問題から取ったものも出典が不明と書いてある。時事的ではないが読むと味わいのある英文である。こうした英文が読めるようになるとはどういうことなのだろうか。文の構造が取れて、単語が品詞に分解できることか。それとも、文がクレーム、データ、ワラントなのかを把握することなのか。省略された文法事項を補って読むことなのか。クレームに対するワラントの不足を指摘することなのか。英文が読めるということも一つのクレームであるから、根拠を示す必要がある。その一つの解答が大学の入試問題であったり、英語検定試験なのであることは言えるのかも知れないが、言いたいことはそこにはないことも明らかである。
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