『シリーズ歴史総合を学ぶ①世界史の考え方』(2022)

読書時間
小川幸司・成田龍一編『シリーズ歴史総合を学ぶ①世界史の考え方』岩波新書、2022年
歴史とは何かということを考えると、「「歴史叙述」がどのような営みによって提供されるのか」(ii)という問いに行き着く。
成田龍一氏があとがきに書いていた。
「歴史を学ぶとは、これまでの知識と知恵の積み重ねと、その読み換えの作法とをあわせ持つということです」(p.361)。
本書の5つの鼎談は歴史学の古典をもとになされた。共通のテキストを選ぶことが難しくなっているという。
「理論」「研究史」「資料」をどう考えるがポイントのようだ。
各章の課題図書をメモしておく。ゲストの著作に☆を付けた。読みたい本は★。
第1章 近世から近代への移行
大塚久雄『社会科学の方法』岩波新書、1966年
★川北稔『砂糖の世界史』岩波ジュニア新書、1996年
☆岸本美緒『東アジアの「近世」』山川出版社《世界史リブレット》、1998年
第2章 近代の構造・近代の展開
遅塚忠躬『フランス革命』岩波ジュニア新書、1997年
☆長谷川貴彦『産業革命』山川出版社《世界史リブレット》、2012年
良知力『向う岸からの世界史』未来社、1978年、ちくま学芸文庫、1993年
第3章 帝国主義の展開
江口朴郎『帝国主義と民族』東京大学出版会、1954年、新版2013年
橋川文三『黄禍物語』筑摩書房、1976年、岩波現代文庫、2000年
☆貴堂嘉之『移民国家アメリカの歴史』岩波新書、2018年
第4章 二〇世紀と二つの世界大戦
丸山真男『日本の思想』岩波新書、1961年
荒井信一『空爆の歴史』岩波新書、2008年
内海愛子『朝鮮人BC級戦犯の記録』勁草書房、1982年、岩波現代文庫、2015年
第5章 現代世界と私たち
中村政則『戦後史』岩波新書、2005年
☆臼杵陽『イスラエル』岩波新書、2009年
峯陽一『2100年の世界地図 アフラシアの時代』岩波新書、2019年
第4章の永原陽子氏の本は課題図書になかったので、各章末のブックリストから永原陽子編『「植民地責任」論』青木書店、2009年を追加した。

コメント

タイトルとURLをコピーしました