『紋章とデザイン』(1996)

断片記憶

淡交ムック『紋章とデザイン』淡交社、1996年

Le Petit Parisienで紹介されたムックをパラパラとめくり、森護氏の「西洋の紋章・日本の家紋」を読む。

全体的に日本の家紋の本の中で、西洋の紋章の歴史が触れられていたに過ぎない。英国は紋章制度があり、他国は廃止になっているという。ヨーロッパと日本に紋章があるという論調だった。中世ヨーロッパに紋章が出現した理由はよく分からないが、西洋の全身を覆う甲冑では誰か分からないため、個人を識別するために紋章が発達したことは想像に難くない。

日本も中世の始まりはイエが成立した時期であると言われている。家紋はそもそも定義がはっきりしないが、西洋の紋章と一緒に扱うのは乱暴過ぎると思う。

ムックでは「太閤秀吉に宛てたポルトガル・インド総督の親書」が掲載されていた。太閤秀吉の桐の紋が描かれていた。この手紙は妙法院の非公開文化財特別公開で見たことがある。その時は、「ポルトガル国印度副王信書」と紹介されていた。ムックは資料の出典などないため確かめようがないのが残念である。

注)

高橋典幸「第1講中世史総論」、高橋典幸・五味文彦編『中世史講義』ちくま新書、2019年

「古代の氏(ウジ)から中世の家(イエ)への転換」が述べられている。

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