『欧州紀行』(1972年)

読書時間

埴谷雄高『欧州紀行』中公新書、1972年、1974年第4刷

埴谷雄高がどういう人だったか忘れた。ここにあるのは半世紀前の欧州なのかと思うと、同時期の欧州を旅した記憶が断片的に浮かび上がる。埴谷雄高の同行者のT君はもしかしてと思っていたが、「T君の夫人の専攻は美術史」(P51)を読んで夫人は辻佐保子であることを確信した。辻邦生の『パリの手記』(1973年〜1974年)では「A」であった。欧州旅行から帰ってから辻邦生が亡くなるまで本を読んできた。

あとがきを読むと、埴谷雄高がT君の種明かしをしていた。辻邦生と埴谷雄高はどうして旅行したのか。ソ連東欧の紀行は『姿なき司祭』(1970年)にまとめられている。その姉妹編が『欧州紀行』(1972年)になった。埴谷雄高が書いたことに特段、珍しいことはない。

#辻邦生 #埴谷雄高

コメント

タイトルとURLをコピーしました