和田純夫『プリンキピアを読む ニュートンはいかにして「万有引力」を証明したのか?』ブルーバックス、2009年
『構想力とは何か』(2018年)を読んでいたら、ニュートンが「万有引力」を思いついたエピソードを構想力の例としてあげていた(P71)。
なぜそれが気になったのかというと、前日に『プリンキピアを読む』(2009年)を読んでいて、和田純夫氏が「誰も理解できない」と同時代の人々に噂されたこともある書物とはじめにで書いてあったから、紺野登氏はニュートンのエピソードをどこから持ってきたのだろうかと思った。参考文献を見たがそれらしきものはない。
和田純夫氏は「リンゴが落下するのを見て万有引力という概念を考えついたという逸話」は「ニュートンを回顧した人の記録の中に残っている話なので真偽ははっきりしないが、彼は地球上の物体に働く力と,地球が月に及ぼしていると思われる力を比較して,その力が距離の2乗に反比例するならば,同じ力とみなされるという計算をしている(1966年)」と書いていた(P19)。『プリンキピア』など読まなくても良い話であったが、『プリンキピアを読む』を読んでいて、紺野登氏の400字足らずの要約からのイメージが近かったので気になったのだった。
月もリンゴと同じように落ちているのであるが、月は地表に平行な方向に速度をもっているため地球の周りをまわっているという。
本書はプリンキピアの第Ⅲ編から読み、第Ⅰ編、第Ⅱ編と読むことから構成されている。したがって、私も200もある命題や定義、公理など、まるでスピノザの『エチカ』のような世界を味わうことにしょう。
コメント