いくつもの時間を生きること

断片記憶

京都市立芸大理事長・学長の鷲田清一氏が「人はいろんな時間を多層的に生きるポリクロニックな存在である。」と書いていた(「いくつもの時間」日本経済新聞文化欄2018年1月7日)。

仕事と学業の両立の意味

鷲田清一(わした きよかず)氏の話には関西の人気ラジオ・パーソナリティの女性が社会人大学院生と仕事の二つの時間を生きることが書いてあった。仕事と学業の両立の喜びがそこにはあった。私は仕事の時間しか生きていないことに思い当たった。山をやっていた時は山の時間と仕事の時間があった。山に行けなくなってからの自分は仕事の延長で職場以外も過ごしてしまった。長く勤めた会社を辞めてから仕事以外に本を読むようにはなったが、心から楽しんだものはなかったようだ。外部倉庫からの引取り本を眺めているが、また読もうという気にはならない本が多い。仕事に関係する法令や技術はその有効な時間は過ぎていった。谷沢永一先生の言うとおり、これからはモラリストを読む年頃なのだが、相変わらず技術を追いかけている自分がいる。

GTDで時間を管理する意味

外部倉庫から数年ぶりに回収した本のなかでGTDの本だけが刺激を与えてくれることが分かった。この本は仕事=時間を管理する原理を書いた本だが、職場と家族や旅行などいくつもの仕事=時間を一つの原理で解決しようとする。我々はいくつもの時間を生きる存在だとしても、けしてうまくは生きられない。いつもベストな状態で考え続けられないし、集中できない時間帯があったり、お腹が下ったりして考えられない時もある。人間は脳の時間も内臓の時間も違うポリクロックは存在だから、少しでも幸福を感じる時間を増やすためには、意識してそれらの時間を管理するしかない。睡眠の10時間前からカフェイン飲料をとらないこと、睡眠の3時間前には食事を終えていることから始めて、夜が遅くなった場合のペースの戻し方などを日頃から心掛けることは多い。GTDは究極の目的である人生をいかに生きるかに役立つと信じている。

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