サザエさん通りと元寇防塁

旅の時間

地下鉄西新(にしじん)駅の1番出口を出るとサザエさん通り(2012年命名)の大きな看板があり、西南学院大学(0.2km)へ向かっている。

西南学院大学に元寇の防塁がある。1号館の建屋内に元寇の防塁の遺跡を移設して復元したものが展示されていて、大学が休みでなければ見学が可能である。学会で西南学院大学を訪れたときは、大学が夏休み中であった。

体育館の南に元寇神社があり、左手は国指定史跡「元寇防塁」である。西新の防塁はどこの担当から不明であるが、防塁の上に座っている鎌倉武士の絵は次の福岡市博物館で見た。

史跡元寇防塁を見て北へ向かうと福岡市博物館の南正面に突き当たる。サザエさん通りが博物館の南側と西側を通っている。

福岡市博物館には金印がある。漢委奴国王印である。暗くした部屋の中に光る一辺2.3cmの小さな金印を見た後、ビデオで細部の説明があり、鈕(つまみ)が蛇であることが分かる。丸い模様に見えたのは鱗だった。

常設展を見て回る。『蒙古襲来絵詞』の絵の解説は、タッチパネルで場面を選ぶと補足的な説明が出てくる方式だ。竹崎季長(たけざきすえなが)の郎党の足が書き直されたことが解説された。

そう言えば、最近読んだ本でも解説されていたので、長いが引用する。

「元寇を取り上げるときに、必ず用いられる資料が、馬上の竹崎季長に向かって元軍の兵が矢を放ち、その間で「てつはう」と名づけられた火器が炸裂している『蒙古襲来絵詞』の一場面である。多くの人の蒙古襲来のイメージは、この場面に尽きるといってもいいかもしれない。しかし、料紙の継ぎ目に描かれた3人の元軍兵士は向きが他の兵士と反対で、筆致も異なっていることから、最近では、のちの補筆と考えられている」(『ここまで変わった日本史教科書』(2016))。

『蒙古襲来絵詞』には謎が多い。元寇という言い方も、蒙古襲来やモンゴル襲来という言い方もあるようだ。

サザエさん通りはこの先に聳える福岡タワーの西側を抜けてシーサイドももち海浜公園入口までの全長1.6kmの散歩道である。

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