毎月21日は東寺の弘法市だ。ふたば書房八条口店で『歴史家の案内する京都』が積み上がっていることを確認して、近鉄京都線に乗る。近鉄京都線で終えた旅が、また近鉄京都線から始まる。不思議な縁ということで弘法さんへ。
いつものところにめかぶ屋さん(適当な名称)が出ていたので、お話しながら2袋買う。2袋なら大の方がお得と言われるが、お土産を考えていたのだった。
少し歩いて、おじゃこの店に行く。いつも並んでいるのですぐに分かる。薄味と濃い味を買い、東寺から京都国立博物館へタクシーで行く。
「臨済禅師1150年 白隠禅師250年遠諱記念 禅ーー心をかたちに」展を観る。チケットを買って平成館に入ると、並んでいた。混雑の調整をしている。明日の22日が最終日なので混んでいても不思議はない。
漸く列が動き出した。エレベーターで3階に上がって降りてくる仕組みなので、最初から詰まりやすくなる。
禅院額字并牌字、後醍醐天皇宸翰置文、慧可断臂図、油滴天目、渓陰小築図などの国宝を観る。前期に瓢鮎図が出ていたのを知っていれば観たのにと思いつつも、無理だったかなと思う。秋の東京会場は10月18日から11月27日までなので、覚えておきたい。
バスで京都駅まで行き、JRで大阪へ。
阪急三番街のインデアンカレーの列に並ぶ。
アプローズタワーへ向かい、14階で懐徳堂研究会の部屋へ。三馬先生が受付をしていらした。子安宣邦先生が入ってきて目が合う。
「江戸思想史」を読む 2回目は熊澤蕃山だ。先週の早稲田をサボってこっちに出ている。重いのに『日本思想大系 熊澤蕃山』を持って来たのは私くらいだった。日本の名著を持って来られた方もいた。これは現代語訳だ。『集義和書』を読んで先生が挫折したという話から始まる。熊澤蕃山は「知」の人という荻生徂徠の評価をどう扱うのか。『集義和書』の手紙の返信の形式で質問に答える熊澤蕃山の回答の仕方が問題だった。朱子学を丸呑みして説明しているという子安先生の批判が全てだ。江戸初期の宋学受容の過程は色々ある。中江藤樹、伊藤仁斎、山崎闇斎など多彩である。熊澤蕃山は朱子学を無批判に受け入れているのではないかという疑問が提示された。
『集義和書』の回答のズレが問題で、子安先生が読むことの意義を失ったという。私はまだ暫くは手許に置いて、読み通したいと思った。早急な結論を出すほど時間がないわけではない。
京都に戻り、来月の課題図書が貝原益軒の『養生訓』なので、BALの地下の丸善で岩波文庫版を買った。
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