白洲正子・加藤唐九郎『やきもの談義』風媒社、1997年第2刷
1976年に駸々堂より刊行した本を再刊したもの。
こういう本をどうするかが難しい。発言の裏を取ろうとすると調査が必要になる。本を処分してしまうと、問いかけも失ってしまう。焼き物に対する興味はないわけではないが、さりとて、研究書でもなく、図版でもないので、参考にするというわけにもいかない。
加藤藤九郎「(瓢箪型の徳利を取り上げて)この徳利はこの途中のくびれでトクトクとなるんだね。古九谷なんかのここのもっと細いものだと鶯の鳴くような音がする」(P53)。
ほう、鶯か。記憶に留めておこう。
元和偃武について「それまで陶工は全部軍隊持っておったんですね。陶工は一つの軍団ですからね。そういう軍団であって、産業開発をやり、文化関係も…」(P103)。
織田信長がスパイとして陶工を使ったという与太話もある。
これはエンターテイメントだな。
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