スキーマの役割

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今井むつみ『学びとは何かーー〈探求人〉になるために』岩波新書、2016年

第3章 乗り越えなければならない壁

ここでは、知識システムを創る過程で、誤ったスキーマを克服することがテーマとなっている。

スキーマについて説明は、第1章にあった。

「私たちは日常で起こっている何かを理解するために、常に「行間を補っている」。実際には直接言われていないことこ意味を自分自身で補いながら、文章、映像、あるいは日常的に経験する様々な事象を理解しているのだ。行間を補うために使う常識的な知識、これを心理学では「スキーマ」と呼んでいる」(P18)。

幼児の学習を説明するのに行間を補うために使う「常識的な知識」という定義はそぐわない気もする。

思い込みを訂正するのは難しい。常識的には天動説なのだ。地動説だと習っても子供は科学理論をすんなり受け入れているわけではないのだ。誤った「スキーマ」で考えてしまう例がいくつかあり、私もガリレオと同じ誤解していたのには笑ってしまった。

母国語を学習するためのスキーマが外国語学習を妨げている。意識せずに作り上げた「思い込み知識」を外国語学習に無意識に使ってしまうことが問題だった。羽生善治名人も推薦文に書いていた。

「言語についても深く考えさせられます。なぜ、母国語以外の習得がかくも難しいのか(ごくごく稀に何でもすぐに習得する人もいますが)、その要因が解らなかったのですが、読後に納得をしました」(viii)。

この章のテーマを繰り返すと誤ったスキーマの克服である。

「科学者でさえも、データから自分の仮説を疑うことは容易ではない。人は自分の信念と一致する現象に注目し、一致しない現象は無視しがちである。これを「確証バイアス」という」(P91)。

自らの知識を修正し、同時にスキーマも修正していくのは容易でははい。誤ったスキーマを書き換え上達していくためにはどうしたら良いのか。

第4章 学びを極める

過去に似たテーマの本を読んできたと思うが、いかんせん思い出せない。この章はまた次にしょう。

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