『模倣の経営学』(2015)

断片記憶

井上達彦『模倣の経営学』日経ビジネス人文庫、2015年

ビジネスシステムイニシアティブの月例会で井上達彦教授がファシリテーションしたのに参加して、本を買うことにした。本来は事前に買うのであるが、今月は体調がイマイチなので、書店には3回しか行っていない。

井上達彦教授のテンポのよい講義は面白く、刺激的だった。各テーブルに足を運んで発言を求める。私はビジネスモデルを見る視点を教わった気がする。何も見てこなかったのと同じだ。

ファミレスの顧客・価値・方法の分析が特に印象に残った。井上家の子息が嫌いな野菜を母親が料理して暖かいうちに食べさせようとする話だった。子供の気持ちが手に取るように分かりながら、母親が熱心に野菜を勧めているため、何も言い出せない親を演じる井上教授が可笑しかった。

ファミレスのビジネスモデルのコンセプトを分析すると、

顧客=子供と親

価値=躾からの子供の解放

方法=セントラルキッチン

ファミレスでは、家にはないメニューがあって、嫌いなものを無理に食べる必要がなく、好きなものが食べられる!

これを介護事業に適用すると、

顧客=老人

価値=気遣いがいらない

方法=老人に介護させる

老老介護が出てくる理由が分かる。

本質的な価値を抽象化することで、横展開の模倣でない創造が生まれる。

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