『白文 万葉集 上巻』(1930)

断片記憶

佐々木信綱編『白文 万葉集 上巻』岩波文庫、1930年、1977年第12刷

万葉集の全二十巻のうち第一巻から第十巻を納める。

白文での刊行の意義は白文萬葉集序によれば以下の通り。

「萬葉集の原形は、漢字のみを以て書かれたものであることは、今更いふまでも無い事であるが。天暦に源順等が訓を加えてより以來は、假字を加へることが習はしとなって、現存してゐるものでは、いまだ無訓の古鈔本を見るを得ない」。

「萬葉集の根本的研究は、白文のものによるべきは、在來の訓に囚はれない爲にも極めて必要であるにかかはらず、萬葉集研究の盛なる今日に際して、いまだ白文本の刊行を見ない」。

そこで白文萬葉集を刊行するに当たり、「版本中比較的良本なる寛永版本の訓を削つて底本とし、その誤謬とおぼしきものは、新訓萬葉集をもととして訂正することとなした」。

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