朧谷壽氏の「京都史話Ⅳ」で『小右記』の記載と『今昔物語』の記載を読み比べて、『今昔物語』の記載が史実を踏まえたものもあることが理解できた。
平安貴族の日記と同じことが歴史物語に記載されていることはそれなりの史料によって『今昔物語』の作者が書いていることが分かる。
歴史について一次史料に基づくとして歴史物語を全く排除して記述することは、貧困なものになりはしないか。歴史物語を日記などの史料によって吟味する手間を省くことになりはしないか。
日記といえども間違いや伝聞も含んでいるので吟味が必要なのは言うまでもない。史料の扱い方こそ歴史学者の力量が現れるところだ。
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