週刊新潮の「とっておき私の京都」芥川賞作家の下重暁子(しもじゅう あきこ)氏の1回目は「花折峠」でした。鯖街道を大原を越えて北へ向かう途中、花折(はなおれ)トンネルが出てくる。そこで、三橋節子の『花折峠』という絵の話になった。下重暁子氏が、『日本百名峠』(井出孫六編、1982年)で『花折峠』を取り上げたという。三橋節子は、梅原猛氏の『湖の伝説』(1977年)で癌のため右腕を切断した画家として紹介され、幼い子供を遺して逝く母親だった。私の記憶は『余呉の天女』だったが、下重暁子氏は『花折峠』が「胸に強く刻み込まれていた」という。
「花折峠」と聞くと、まずは鯖寿司を思い浮べるし、先にある比良山荘まで熊を食べに行ったことを思い出します。これからは三橋節子の絵を思い出すことでしょう。
プラス1は「ぎゃらりい杣の道」でした。花折峠の先で骨董や自然食品を販売しています。
注)『花折峠』は川に落とされた花売り娘を花が身代わりとなって助ける近江の民話を題材にしています。しかし、三橋節子の画は花と共に川を流されていく娘が描かれ、死を暗示しています。
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