西垣通『超デジタル世界ーーDX、メタバースのゆくえ』岩波新書、2023年
本書の目的を「はじめに」に書いている。
「この国のデジタル化は成功するのか。そのための条件は何か。ーーこの問いに答えるのが本書の目的である」(i)。
結論から読みたくなる。
第5章 日本はデジタル化できるのか
丸山真男の『日本の思想』(岩波新書、1961年)から、「外国の思想をめまぐるしく受け入れて行くが、それにもかゝわらず思想の根底は変化しない」
「丸山はここで、日本では、思想や学問の理解は書物を読むことが第一義で、コミュニケーションは第二議だったことをあげる」(p.149)。
「有史以来の日本における、文化摂取の積極性と社会的価値の保守性という二重構造が、21世紀の今日、もはや機能不全を起こしているということだ」(p.152)。
結論を読むと、日本のレジリエンスはないとのことであった。
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