宮本武蔵は『五輪書』で、「鍛錬」という言葉をつかった。「千日の稽古をもって鍛とし、万日の稽古をもって錬とす」といった。
米長邦雄永世棋聖は3,000時間がその分野の基礎をつくるために必要な勉強時間だといった。将棋のプロになるためには1万時間はかかる。
今井むつみ氏は『学びとは何かーー〈探求人〉になるために』(2016年)の中で「10年修行の法則」を紹介している。
「フロリダ州立大学教授で熟達の認知研究の第一人者であるアンダース・エリクソンによれば、国際的に活躍できる熟達のレベルになるには、どんな分野においても1万時間の訓練が必要になるそうだ」(P174)と報告しているのだ。
これは過去の経験的な報告とも一致する。素振り1,000回を毎日することは必要なことは分かった。素振りを繰り返すことで、筋力がつき、骨格ができ、楽に振れるようになり、脳も変化する。
練習の質も問題になるし、集中と弛緩の関係も経験的な知識を認知科学の視点からする説明は面白い。
天才とは何かについて過去に読んだ本も、認知科学の視点で読み直してみようか。だいたい忘れてしまっていることだし。
何よりも大切なのは中島孝志氏が言うように1万時間をかけても悔いないものを人生で見つけ出すことだろう。
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