『全国女性街ガイド』(2016)

断片記憶

渡辺寛『全国女性街ガイド』(カストリ出版、2016年)というタイトルの豆本を相方からもらう。『吉田類の酒場放浪記』という番組に対抗して『おんな酒場放浪記』ができて、男女同権を主張する立場からは、『男の街』があろうと思ってググると、宮史郎の『男の街』というCDが出て来たのであった。香港辺だと「女人街」とか「男人街」とか夜の買物の話になる。

さて、『全国女性街ガイド』は1955年に刊行された。歴史を感じる。しかし、復刊は豆本である。文字が小さいのにさらに2段組であった。京都の場合、「芸者のいるのが祇園甲部、先斗町、上七軒、芸者と女中<女中もお茶屋へ呼ばれてくるという一種の芸者風>のいるのが祇園乙部に宮川町、戦前でいう女郎<今の女中>のいる里が島原、七条新地、西陣新地、中書島、橋本、橦木町。やとなのいるのが東山の安井、下河原辺と上下木屋町界隈。街娼の出没するのが四条大橋から四条小橋辺」(P37)と要約されている。

女性街の紹介もあるが、京女の「冷たさ」と反対の「唯物的な実意のあるまごころ」など文学に現れた京女も紹介する。長田幹彦などがでてくる。しかし、唯物的なという表現に戦後の流行りを思う。意味不明な言葉である。祇園の紹介の中で照子さん姐さんの名前があった。姐さんが舞妓さんであった頃の本であった。

この本の出版元はカストリ出版である。実店舗として去年、吉原の遊郭跡にオープンしたカストリ書房が京都で6月10日から25日まで臨時店舗を出している。そこで相方が見つけてきた。場所はラ ヴァチュールというカフェに併設する展示スペースで、平安神宮の西側の通だ。さすがにこの道は通ったことがない。それにしてもカストリなんて若い人は知らないだろうにと思うのだった。

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