『さまよえる歌集 赤人の世界』(1974)

読書時間
梅原猛『さまよえる歌集 赤人の世界』集英社、1974年
高校の修学旅行の前に梅原猛の『隠された十字架 法隆寺論』(新潮社、1972年)を物理の先生に紹介されたのだが、奥つけを見ると1975年24刷とあり、大学時代に買った本だと分かる。記憶は当てにならない。すると、この赤人論はその後に買ったことになるのだろうか。
『季刊すばる』に連載した万葉集論である。
山部赤人の歌は万葉集に長歌13首、短歌37首ある。しかし、梅原猛は「彼の歌は、長歌13首、長歌の反歌21首、純粋の短歌16首、合計50首である」(P.35)という。純粋の短歌は意外に少ないのだ。やはり、人の評価というものは当てにならない。抜書して自分で確かめてみようと、万葉仮名版を作ってみた。
しばらく、通勤時間に万葉仮名と格闘することにした。
例えば、枕詞も万葉仮名の違いを楽しめる。その後はしかし判事物である。
山部宿禰明人詠春鶯歌一首
安之比奇能 山谷古延氐 野豆加佐尓 今者鳴良武 宇具比須乃許恵 3915
山部宿禰赤人歌四首
足比奇乃 山櫻花 日並而 如是開有者 甚戀目夜裳 1425
山部宿禰赤人作歌二首并短歌
反歌一首
足引之 山毛野毛 御獦人 得物矢手挾 散動而有所見 927
注)万葉集一覧データベースの<漢字>を岩波文庫の『白文万葉集』で修正して、題詞を加えることで、自分だけの山部赤人集を作ってみようと思う。

コメント

タイトルとURLをコピーしました