DVD『白洲正子の世界』(2009)を見ていて「葛川 明王院(かつらがわみょうおういん)」が出てきた。白洲正子が「明王院の前は何度も通っているのに、ついぞよったためしがない」と書いたのを広瀬修子氏のナレーションで聴き、本箱にある『かくれ里 愛蔵版』(2010)を取ってきて読んでみると、この「葛川 明王院」は久多の志古淵(しこぶち)神社の花笠踊の話から始まっていた。白洲正子は美山荘で食事した後、花背の松上げを河内で見てから深夜過ぎに峠を越えて久多へ降りていって花笠踊を見たのだった。そして、梅の木町を経て京都へ帰ったとある。宿に着いたのは夏の夜が明けそめる頃だった。愛蔵版では地図が入っているが、花背と久多はけっこう離れている。この花笠踊のところがDVDになっていないのが残念に思う。地図を見ると梅の木町から京都へ向かう途中に明王院があった。
久多の花笠踊のあと本題の明王院の話になる。筏乗りの守護神である志古淵神は地主神であり明王院に祀られている。映像は回峰行者の一団が歩く姿や回峰行者による太鼓乗りも雰囲気が伝わってくるが、私には山国の火祭りの続編のほうが面白かったのでここにメモしておくことにしたのである。
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