ひととき 2019年1月号の千宗室さんの京都(みやこ)の路地(こみち)まわり道は「配膳さん」というタイトルでした。家元が昔ながらの料亭や割烹の佇まいに変化が見られるといいます。街並みと不釣り合いになって、調和という考え方が見てとれないものも混じるようです。
さて、招かれた家元が暖簾のところに立つ袴を付けた男性に、内玄関まで案内してもらいました。「配膳さん」です。やはり昔ながらの心得ごとを守っているところがお好きなようです。配膳さんという仕事があるのは京都くらいでしょうか。旦那衆が配膳さんに名前を覚えてもらうまで通うかどうかは別として、家元の初釜式など大勢が集まる行事は「配膳さん」がいなければ人の流れが滞ってしまうといいます。また、下足番としてしか見ていない人が少なくないのに驚かされたともいいます。家元が「旦那衆とは世話をしてくれる誰にでも心配りのできる人を指す」と書いてあるのに感心しました。
注)昔、常盤新平先生が、NYのホテルでタクシーを降りたら、「Mr. Tokiwa !」と名前を呼ばれて、嬉しくて思わずドアマンに5ドル手渡したという話しをした時の笑顔を思い出しました。
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