『呉越春秋 湖底の城 第9巻』(2018)

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宮城谷昌光『呉越春秋 湖底の城 第9巻』講談社、2018年

完結!

毎年のように読んできた日々が20年を超えた。山から下りてから、宮城谷昌光氏の本にどんなに慰められたことか。それにしても宮城谷昌光氏が描いてきた登場人物は何と魅力的なことだろう。『晏嬰』のなかで活躍する晏嬰の父晏弱。『孟嘗君』の風洪(のちの白圭)。『楽毅』では中山国を望見する武霊王。そして『湖底の城』では范蠡の引き立て役になった感のある伍子胥。この9巻本の7巻に范蠡が登場するまで、伍子胥が主役だと思っていた。しかし、ここまで、主役が登場しなかったのは見たことがない。あとがきに宮城谷昌光氏が書いているのを読んで小説の構想というものの妙味を感じた。しかし、湖底の城というタイトルはここまで来ないと分からなかった。10巻まで行くと思ったが、『小説現代』が休刊するために、急に終わってしまった感が強いが、後味は悪くない。

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