『第8回 ビクター伝統文化振興財団賞「奨励賞」亀井広忠(能楽囃子)』(2004)

視聴時間

『第8回 ビクター伝統文化振興財団賞「奨励賞」亀井広忠(能楽囃子)』ビクター伝統文化振興財団、2004年、CD 60分6秒

独吟は聴き入ってしまうということで、亀井広忠師の大鼓を中心とした囃子を聴くことにしました。2004年4月5日宝生能楽堂での収録です。例によって封を切りましたが、簡単に取り出せました。ラッピングがよいのはいいことです。

三番叟の揉之段の鼓の音と掛け声から入ります。シテもワキも地謡もありません。囃子方の掛け声と楽器の音だけです。普段の能楽堂では味わえません。謡を謡い、仕舞をするのは能の基本ですが、囃子方だけというのも、一曲の中の見せ場はあるにせよそこだけを切り出すことはほとんどありません。

三番叟 揉之段、鈴之段

猩々乱

宝生流 延年之舞

道成寺組曲

獅子

終わってから、解説を取り出しました。

土屋恵一郎氏が「亀井広忠の芸術」、山中玲子氏が「楽曲解説」を書いていました。

土屋恵一郎氏は当時30歳の亀井広忠師を評して、「ほとんど驚異といっていい姿である。なにより技量においてそこに不足がない。完成されたテクニックがある」と書いていました。葛野流家元になる能楽師ですから迂闊なことは書けません。

山中玲子氏の道成寺組曲の解説を読むと、道成寺の「世界を囃子だけで表現できないかと、今から約20年前に藤田六郎兵衛と大倉源次郎が構成した」ものだそうです。するとこれは独立した作品ということになります。その藤田六郎兵衛師(笛)と大倉源次郎師(小鼓)に金春國和師(太鼓)が加わっての熱演13分9秒。堪能しました。

BGMシリーズはこれでなくっちゃね。

そういえば、千本の鰻屋ではいつも能楽囃子をかけていたので、能楽囃子を聴くと鰻が食べたくなる。

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