『入唐求法巡礼行記』(1970)をナイトキャップとして読む

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円仁、足立喜六訳注、塩入良道補注『入唐求法巡礼行記1』東洋文庫、1970年、2005年第22刷

足立喜六訳注、塩入良道補注とあるように、やたら詳しいので、第1章だと、本文前に解説が2頁、本文が7頁に対し、注と補注で8頁というような感じでなかなか進まない。訳文である本文も漢字が難しいので辞書が頼りで読んでいく。

第5章になっても請益僧円珍と留学僧円載の関係が分からない。それまでは両僧という記述しかしてないので、円載がどういう人柄であったのかわからなかった。注6で留学僧円載だけが天台山の入山を勅許されたのも不可解だったが、暗黒面がある人であることが解説されていた。請益僧円珍は遣唐大使と共に帰朝せねばならなかったので天台山行は遠いとして勅許が出なかったという。しかし、請益僧円珍は、大使の許可を得て船を降りて密航することになる。

それにしても、ドナルド・キーンが『百代の過客』で言っていたように「個人的」と言えるような記述はほとんどないのであった。

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