ひととき 2017年9月号の千宗室さんの京都(みやこ)の路地(こみち)まわり道は「夏に取り残される」というタイトルでした。晩夏の休日にバーベキューを若い人達とするに当たり、家元がお酒について呟いています。還暦を前にしてビールやウイスキーが飲めなくなって、去年から白も飲めば動悸が激しくなるといいます。要するに酒が弱くなったと言っているのです。
バーベキューに浮かれる人達は夏にいるのに対し、家元はそろそろ片足を秋に突っ込もうとしているのでした。それを家元は「私の夏は、その輪郭から石灰化していくと」詩的に結んでいます。
注)夏に取り残されるのは誰か? 若者達は夏を謳歌している。家元は秋に片足を突っ込もうとしている。若者達は夏にいるが、夏に取り残されはしない。すると夏に取り残されるのは、家元の夏ということになる。夏に取り残されるは家元の分身として石灰化する青春の記憶であろうか。
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