断片記憶

断片記憶

「うたげ」の語源

「うたげ」の語源が「うちあぐ」にあるという。「打ち上ぐ」は一つのものごとが、完結・終了して、上がりの状態になることだ。この区切りをつける「打ち上げ」のことを京都では「足洗い」と称する(上野誠『万葉びとの宴』講談社現代新書、2014年)。「足...
断片記憶

史料の扱い方が読みどころだ

朧谷壽氏の「京都史話Ⅳ」で『小右記』の記載と『今昔物語』の記載を読み比べて、『今昔物語』の記載が史実を踏まえたものもあることが理解できた。平安貴族の日記と同じことが歴史物語に記載されていることはそれなりの史料によって『今昔物語』の作者が書い...
断片記憶

詰将棋の一週間

今週は詰将棋の本を集中して取り上げてみた。実家で手提げ袋に入っていた詰将棋本を見つけたからである。『近代将棋』の付録の『塚田流エッセンス上下』が上に載っていたので気づかなかった。雑誌の付録が入ってるとばかり思っていた。今回取り上げた詰将棋本...
断片記憶

「こったいの会」

暮れに「こったいの会」がある。「こったい」とは太夫のことだ。「こったいさん」は太夫さんである。要するに島原太夫の会である。島原太夫さんと餅つきを楽しむ会である。天皇誕生日に行われる目出たい集いであり今年も参加する予定でいる。その太夫さんのい...
断片記憶

『桓武朝の諸問題』(1962)

古代學協會編『桓武朝の諸問題』(古代學協會、1962年)池田源太「平安初期における文章の経国的性格」角田文衛「勅旨省と勅旨所」亀田隆之「桓武朝における用水統制とその背景」阿部猛「桓武朝における地方行政の監察ーーいわゆる律令制再建論にふれてー...
断片記憶

犬塚勉のまなざし

そろそろかなと思ったら、「犬塚勉のホームページ」のURLが変わって新しいサイトへ導かれた。犬塚勉の公式ホームページ但し、Flash Playerがない場合は犬塚勉絵画展ホームページ犬塚陽子氏がこの秋とアナウンスしていたとおり、常設の展示スペ...
断片記憶

「宗像大社国宝展」

出光美術館の「宗像大社国宝展」の図録を出して来て眺めている。宗像大社は三女神を祀るが、『古事記』、『日本書紀』で神名と鎮座地が異なっている。宗像大社では『日本書紀』を採用しているのでこれにしたがう。「宗像大社は、沖ノ島に鎮座する沖津宮(おき...
断片記憶

宗像大社と自然観

白洲晋哉氏が「目の眼9月号」に宗像大社の中津宮のある大島のことを書いていた。「残念なのは、テトラポットとコンクリートに固められた海岸と、電線が張り巡らされた景観である。ここに限ったことではないが、せっかくの参拝が興醒めである。神の居場所とい...
シガモノ

不惜身命

2014年9月の染筆カレンダーは、去年お亡くなりになられた大行満 大阿闍梨 長寿院住職 酒井雄哉(哉は右上から下へのはらいがなし)師の「不惜身命」だった。これは額装してとっておきたい。酒井師の居られた飯室不動堂は比叡山の東側の飯室谷にある。...
断片記憶

旅する読書

管 啓次郎『本は読めないものだから心配するな〈新装版〉』(左右社、2011年)僕は猿子眠をしたことはない。寒さを凌いで朝を待つためのテクはエピソードとして学んだ。厳冬期の剱岳にシュラフを持たずに来た登山家の話しは岳人で読んだ。猿子眠は立てた...